本ブログの紹介
今の産婦人科学の解説本は分厚すぎる
国家試験の勉強をしていて産婦人科のテキストの分厚さにやる気を無くしたことはないでしょうか。
「レビューブック」や「病気がみえる」、大手医師国家試験予備校の産婦人科学のテキストは毎年どんどん分厚くなり、覚える量も膨大になってきています。
また最近の医師国家試験の動向を見ていると、国家試験全400問のうち、産婦人科の関連する問題は約30題ほど毎年出題されており、避けては通れない科目でもあります。
しかし、産婦人科のテキストや国家試験の解説を読んで見ると、すべてとっつきにくいものばかりで、最初の数ページで挫折して苦手としている人も多いのではないでしょうか。問題集ばかりやっていても、決して点数は伸びません。産婦人科はちゃんと勉強の方法があります。
国試に必要な産婦人科の知識はごくわずかなんです。
医師国家試験の産婦人科の問題集をこなすだけでは、何周しても点数はなかなか伸びません。
しかし、産婦人科で必要な知識は一見膨大なように見えますが、医師国家試験で覚えておけばいい知識は実は少ないです。考えたら芋ずる式にでてくるようにできているのが産婦人科学です。
もちろんどうしても暗記しないといけないところも多くあるのが産婦人科の厄介なところです。
だからこそ、このブログでは、できる限り暗記ではなく、イメージと感覚で理解できるよう、今までの解説本とは違った切り口で解説していきます。
医師国家試験の解説
このブログでは、産婦人科の講義以外にも医師国家試験に出題された重要な問題や正答率の低かった問題も解説してきます。産婦人科の問題の解説は、事象についてはきちんと説明されていますが、『なぜ』を解説した本は少ないように思います。例えば、102G62の選択肢に中大脳動脈の血管抵抗であるRI(resistance index)の増加という選択肢がありました。もちろん皆さん胎児発育不全となった場合、胎児の脳の発育を保護するため中大脳動脈の血管抵抗が低下することまでを覚えている人は多いと思います。しかし、なぜ中大動脈なのかと考えたことはあるでしょうか。ぜひこんな視点を持っていただきたいと思います。それは進化の過程で最も昔から存在し大切な運動神経と感覚神経を保護するためです。そのため前大脳動脈でもない、後大脳動脈でもない、中大脳動脈のRIが測定されるのです。このことは111A26に繋がってきます。妊娠高血圧症による脳浮腫であるPRES(Posterior reversible encephalopathy syndrome)のMRI画像が出題されていました。主に後頭葉が頭部MRIのFLAIR像で高信号に映ります。なぜ後頭葉なのでしょうか。それは後大脳動脈が中大脳動脈と異なり血流の調節ができないからです。ちなみに111A-26では、前大脳動脈の支配領域にもFLAIR像で高信号に映ります。胎児での所見は、産婦人科ではこんな形でつながってきます。
このブログの使い方
このブログは主に産婦人科の勉強のきっかけづくりとして読んでください。おそらく産婦人科を勉強する上で基礎になってくれると思います。このブログを見ていろいろな産婦人科学の成書を読んでみてください。きっと面白くみえてくると思います。
産婦人科のおもしろさを伝えるためにこのブログを始めました
オブギネ学校で一人校長しておりますオブギネと申します。2018年に初期研修を修了して、産婦人科専門医研修を始めました。もともと医学教育にも興味があったことや、自分の専門医試験の勉強のために、自分の勤務していた病院の研修医に対して講義をしていました。参考書にもないような切り口の解説など、その内容が好評であったため、少しでも産婦人科学の面白さを学生に伝えたいという思いから、2020年4月から、このブログを始めました。
以上、長くなりましたが、このブログが医学生や助産学生、そして産婦人科専攻医の先生方など多くの人のお役に立てれば幸いです。