胎児計測は、週数が進むにつれ、胎嚢(GS)、頭殿長(CRL)、そして児頭大横径(BPD)の順に測定します。
なんとなく流れで覚えているかもしれませんが、ちゃんと理由があるんです。
胎児計測を考えると進化と発生が見えてきます。
6週まで 胎嚢はウニだ!
受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠5週ごろから子宮内に丸い袋が見えてきます。
これを胎嚢(GS)と言います。
ちょうど胎嚢が見えてくる妊娠5週から6週では、栄養は拡散によって広がってきます。
なので袋の大きさを調べることで胎児の成長を見ることができます。
7週から11週 魚に進化、心臓・血管系ができてきます
胎嚢が大きくなると拡散だけでは栄養は行き届かなくなります。
大きくなった胎児の体に栄養を行き届かせるため血管を作りました。
血管に栄養を含んだ血液を流すにはポンプが必要です。
それが心臓です。
ちょうど魚類の時期にあたります。
魚は一心房一心室なので、前後に成長します。
だからこそ、頭(カマ)から殿部(尾ひれ)までの大きさである頭殿長(CRL)が成長の指標となります。
そして頭殿長を測定する7週前後になれば胎児心拍を見ることができます。
12週から21週 胎児循環の完成、頭が大きくなります
さてだんだん成長していくと血管もどんどん複雑に進化して、胎児循環が出来上がります。
胎児循環とは酸素化された血液が卵円孔を通して頭部に優先的に届けられます。
だから頭がどんどん大きくなっていくので頭の大きさである児頭大横径を計測します。
そして最後に体もある程度大きくなってきたら、推定体重をパーツが大きな頭、体、足の大きさで計測していきます。
ちなみにCRLの計測時期はセブンイレブン(7–11週)と覚え、BPDは12週から21週(12の逆、21までと覚えやすいですね)、それ以降は推定体重と大まかに測定する週数も覚えておくとよいでしょう。