産科救急の資格コース JCIMELS、PC3、ALSO、NCPR

  • 2020年6月6日
  • 2020年8月28日
  • その他
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産婦人科に携わると日々の業務で忙しいかと思いますが、ぜひその存在を知っておいてほしい資格コースが3つ存在します。

 

JCIMELS (ジェイシーメルス)Bコース・Aコース

PC3(ピーシーキューブ)

ALSO(オルソー)

 

今回はこれらのコースの特徴や実際に受講した感想などをお話ししたいと思います。

僕はこれらの資格コースを全て受講しました。JCIMELSについてはインストラクターコースも受講し、専門医資格をとったら、インストラクターとしても活動していく予定です。

一応、受講した証明として受講書を掲載しておきます。

産科救急を扱う資格コースは日本では、JCIMELS、PC3、ALSOの3コースがあります。

JCIMELSとPC3はアプローチの方法は異なりますが、

基本的に妊産婦の急変時の対応という点では基本は同じです。

 

ALSOも産科救急の初期対応についても学べますが、CTGの解釈法から吸引分娩や鉗子分娩の方法など分娩全般すべて扱うためより幅広いことを学べます。

 

JCIMELS(Bコース)

受講のしやすさ ☆☆☆☆★ 星4つ

コースの難易度 ☆☆★★★ 星2つ

教科書のわかりやすさ ☆☆☆☆★ 星4つ

受講価格 ☆☆☆★★ 星3つ

概要

イメージとしてはBLSの産科バージョンです。京都第一赤十字病医院の京都プロトコールが大元です。BLSとの違いは妊婦の生理的な特徴を考慮して急変対応をしていくところでしょう。BLSさえ受講したことがあれば特に問題はなく、気楽にいける半日間のコースです。教科書もイラスト中心で見やすいです。内容も必要な部分に絞っているため、自施設での教育にもとても使いやすいと思います。医師であれば、基本的にはBLSプラスアルファくらいのため、物足りないかもしれません。ただし、BLSやICLSを受講したことがない助産師さんにとってはかなり有意義と思います。比較的全国的に開催されているため場所さえ選ばなければ受講しやすいです。地方では比較的受講しやすい傾向にあります。受講料は15000円とやや高めです。教科書込みだと2万円弱となります。個人的には若手の助産師さんには特におすすめです。


コース内容

半日間のコースです。ベーシックコースは主にクリニックでの急変(具体的には産後の出血性ショック、肺塞栓症、脳血管障害などの場面)を設定し、心臓マッサージを含めた急変初期対応、救急車要請、転院先への申し送りなどをトレーニングします。BLSプラスアルファくらいの感覚で思ってください。

試験

10問のプレ試験、ポスト試験がありますが、内容はとても簡単です。

感想

あくまでクリニックでの対応となるため、総合病院での対応と思って参加すると拍子抜けするような感じがあります。しかし、参加者やインストラクターと交流することで、いろいろと学ぶことはありました。

日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)は、我が国の妊産婦死亡の一段の低下を目指し、産婦人科医師のみでなく、救…

 

JCIMELS(Aコース)

受講のしやすさ ☆☆★★★  星2つ

難易度星 ☆☆☆☆★ 星4つ

価格 ☆☆☆★★ 星3つ

教科書 ☆☆☆☆★ 星4つ

概略

 イメージとしては産婦人科版ACLSの印象です。教科書もより専門的になり、主にスライドとその解説です。しかし、スライド数も160くらいあり、かつ文字中心となります。救急医療に携わったことがあれば、読みやすいかと思いますが、そうでなければ少し難易度は高い印象です。教科書の内容も豊富で産婦人科専攻医であれば一回は読んでおくといいかなと思います。1冊読みきるのもかなり時間はかかりますがとても勉強にはなります。内容も妊婦の生理学から、実際の救急外来での対応、血液ガスの解釈法についてなど幅広く網羅されています。ただし、まだまだ開催数は少なく開催場所も限られているためさ受講はしにくいかなと思います。また土日2日間のコースでもあるため、連休がないと受講できません。私が受けたところでは受講料はやや高めの25000円です。教科書は7400円と総額3万円弱かかります。

コース内容

東京で開催されたコースを受講しました。Aコースでは、高度救命救急センターや周産期母子センターでの対応を想定しているため、より実践的な内容となります。インストラクターも産婦人科医だけでなく麻酔科医の先生方などもいらっしゃり、病院を挙げてのコースです。教科書内容は膨大で2日間でカバーするのかと思いましたが、実際はすべてをカバーするわけではなかったです。特に強調されていたのが血液ガスなどを用いた病態の性格な解釈からの治療方針を考えたりするなどをトレーニングしていく感じです。Bコースはどちらかというと頭より身体を使う感じですが、Aコースでは考えることも必要なので、あらかじめしっかりと教科書をしっかりと読んで予習しておくとより学べるかなと思います。

試験

Yes/No形式のプレテスト、ポストテストがありました。点数が悪いからといって受講証がもらえないわけではないので安心してください。インストラクターが補助解説などしてくれます。

感想

より実践的な内容となります。ちょっとしたACLSみたいな感じです。このコースの醍醐味は、コース内容もそうですが、むしろ受講者との交流することで、他院でどのように対応しているかなどを話し合ったことがとても勉強になりました。


日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)は、我が国の妊産婦死亡の一段の低下を目指し、産婦人科医師のみでなく、救…

 

PC3

受講のしやすさ ☆★★★★ 星1つ

価格 ☆☆☆★★ 星3つ

難易度 ☆☆☆★★ 星3つ

教科書 ☆☆☆☆★  星4つ

 

概略

JCTEC(外傷)を元にした産科救急コースです。コウノトリのモデルとなった大阪のりんくう総合医療センターの先生が作られたコースです。このコースは2日間のコースでもあり、かつ開催日数も限られているため、倍率もかなり高くなっています。僕も1度目は落選しましたが、2回目で受かりました。配布されるスライド資料にも積極的にコウノトリが使用されています。JCIMELS Bコースよりも内容としてはより深いかと思います。内容もシンプルかつ充実しています。僕が受講したときの受講費は20000円でした。教科書は5000円程度で、総額25000円くらいです。教科書の内容も濃いJCIMELS Aコースの方がちょっとお得感はありますが、いずれにせよ参加してみてとてもいいコースでした。個人的には産婦人科専攻医の先生や若手の救急医の先生には特におすすめです。

教科書

内容としては、かなり実践的に覚えてもらおうと内容はかなり絞られていてすぐに読めてしまいます。JATECという外傷コースをベースとしているところもあり、京都プロトコールをベースとしているJCIMELSとはややアプローチは異なりますが、最終目標は同じです。ただJCIMELS Bコースの方がとっつきやすい印象です。

 

 

比較

どちらも受講することはとてもいいと思いますが、日本産婦人科学会としてはJCIMELSを推奨しているため、どちらか一方しか受けられないのでればPC3よりは、JCIMELSを受講されるのがいいでしょう。しかし、Bコースは、ICLSなどを受講されている方にとっては物足りないものになるでしょう。その意味では、Bコース受講されたら、Aコースを受講されることをおすすめします。コース内容もそうですが、全国からいろいろな医療従事者が参加され、各シナリオ毎の討論がとても勉強になります。病院毎に設備や麻酔科などの協力体制などにより、対応が異なります。

難易度としては、JCIMELS Aコース>PC3>JCIMELS Bコースの順に難しい感じです。

 

ALSO

受講のしやすさ ☆☆★★★ 星2つ

価格 ☆★★★★ 星1つ

難易度 ☆☆☆☆☆ 星5つ

教科書(配布資料) ☆☆☆☆☆ 星5つ

概略

JSIMELSやPC3が産科危機的出血を主に扱っているのに対してこのコースは、CTGの解釈方法から吸引、鉗子分娩など幅広く分娩に関連する産科医療を学ぶことができます。これも倍率がかなり高く、なかなか受講できる人が少ないのが特徴です。

私も運良く受講できたのは、当時の産婦人科部長の推薦もありました。研修医2年目の時に受講しましたが、事前配布資料を読んでもわからないことも多く、おそらく専攻医1−2年目で受講するとかなりいろいろなものが吸収できるのではないかと思います量が半端なく多いです。教科書の内容を実際の受講でも確認されることがあるため、予習も相当必要となります。

資格は5年間有効で、更新には、

⑴年会費を納入していること

⑵過去2年以内に講師またはアシスタントとしてコースに産科していることが必要です。都市部ではアシスタント難民などとう言葉があるくらい、資格維持も大変です。

教科書

受講ができるようになると、事前配布資料をダウンロードします。その量が半端なく多いです。ALSOの事前配布資料はおそらくいろいろな先生が協力して和訳した関係上、やや読みにくさもあります。しかし、とても勉強になります。いまだに吸引分娩や鉗子分娩の際は、その時に教わったことを使用しています。何度もいいますが、本当に量が多いです。1-2週間くらい予習が必要です。

 

内容

2日間のコースです。CTGの解釈法(ALSOでの緊急度の分類を使用するので実際のCTGのレベル分類とは異なるところもあり参考程度です。)、急速墜娩(吸引分娩、鉗子分娩)、肩甲難産、産科出血を防ぐための分娩第3期の積極的管理など本当に幅広いことを学びます。参加したひとは誰もが参加してよかったというコースです。

感想

研修医2年目に参加しましたが、内容は産婦人科1ヶ月しかローテーションしたことがない身には難易度はとても高かったです。今思うと専攻医2年目くらいで受けるのがちょうどよかったかなと思います。改めて配布資料などを見てみるととても勉強になりました。

周生期医療支援機構は2009年4月より開設されたNPO法人です。妊娠・出産・新生児・乳児期医療における人材育成を支援し、…

 

以上が産科救急に関連する資格コースです。

ちなみにNCPRは産婦人科専攻医の先生は必ず受講したほうがいいでしょう。場所さえ選ばなければ受講することは可能です。

NCPR

概略

出生後の新生児の対応についてのコースです。

内容

1日のコースです。出生後の新生児の初期蘇生を学ぶコースです。合計10問のプレテスト、ポストテストがあり、それに合格しないと資格は得れません。

教科書

数日で読み切れるくらいです。ところどころ覚えるところはありますが、掲載されているテスト問題の周辺を暗記したら、テストは通り資格は取れます。

 


 

感想

基本的に産科医療に携わる人は必ず受講した方がいいコースだと思います。実際の臨床で一番つかう技術ではないでしょうか。

新生児蘇生法(NCPR)普及事業・新生児蘇生法講習会開催予定情報・新生児蘇生法講習会開催実績・新生児蘇生法講習会等の各種…

 

以上が産婦人科に関連する資格コースの紹介でした。

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