分娩編1 回旋 新しい切り口の産婦人科学講座 

  • 2020年5月17日
  • 2020年9月13日
  • 産科
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はじめに

この分娩講座は、50年以上もの間、述べ2万人以上のお産に関わられた「お産の神様」とも呼ばれる先生(70歳台後半の現役産婦人科医)からご指導いただいたことを書かせていただきました。

さて国家試験の勉強などをしていてなかなかイメージがつかないところが分娩でしょう。実際のお産でも100人のお産をとってようやく当直見習いができるというくらい、分娩はとても難しいものです。しかし、しっかりと理解したら得点源となります。

まずは正常分娩を考えていきます。胎児の分娩までの動きである回旋から見ていき、その後、分娩の進行過程、最後に異常分娩について見ていきます。

*説明する前に子宮や膣などを図のように簡略化して示してあります。

回旋と出産

回旋とは分娩時の赤ちゃんの動きのことです。

分娩の進行過程に合わせて4つの動きに分けて考えました。

回旋を理解するのに大切なことは胎児の頭の形と産道の形です。

ここでよく頭の形を見てください。

胎児の頭の形は実は図の様な形をしています。

そして、産道の形を見てください。

そうです。ちょうど産道の曲線と児頭の曲線が一致するようならないと胎児は出てこないですよね。

これが回旋の正体です。むしろ当然のことなのです。

第一回旋

それでは第一回旋から順番に見ていきましょう。

陣痛が始まると子宮が収縮して胎児の頭は上から押さえつけられるような形になります。

自分の頭も上から押さえつけると自然と頷くような形となりますよね。

そうです。第一回旋とは子宮が収縮して頭が子宮の出口に押さえつけられることで起こる自然な動きなのです。

そして、その結果として、最も頭で一番小さい小径で産道の最も狭いところを通過できるようになります。

この過程で骨盤にはまってくるので固定といいます

第二回旋

第二回旋を見ていく前に、ここで胎向について考えていきましょう。

胎児の背中は左か右のどちらか一方をほぼ必ず向いています。

第一胎向か第二胎向のいずれかです。

真正面に背中を向けることは基本的にはありません。

どうしてでしょうか?それは母の背骨があるからです。

母の背骨があるため必ず児背は右か左のどちらか一方を向いています。

児頭と産道の曲線はちょうど一致するとのべましたが、

陣痛を通して、この児頭の曲線を産道の曲線に合わせていく過程こそが第二回旋なのです。

この児頭をネジのように回転させながら徐々に骨盤の深いところまで進んでくるので、この過程を貫入といいます。

第三回旋

さらに分娩が進んでくると、ようやく児頭が娩出されてきます。

第3回旋は児頭が反屈しながら出てくることです。

実はこの過程はいたって当たり前のことです。

現在、ほとんどのお産は分娩台での背中を下に向けながらのお産です。

しかし、ほぼ全ての哺乳類は4つん這いで出産します。

4つん這いで出産したら児頭は自然と反屈しながらでてきますよね。

これを分娩台で再現したのが第3回旋です。

第四回旋

最後に第4回旋です。膣の出口は縦に長いですよね。

しかし胎児の肩は横に長いですよね。

肩をスムーズに娩出するには膣の出口と肩の形を合わせなければなりません。

そのために体を90度回転させて出てくることを第4回旋といいます。

こうやってみると回旋って極めて自然な流れだと思いませんか。

Youtubeで回旋をアニメーションで視覚的に理解することができます。

 

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