僧帽腱膜下血腫の本当の怖さ

  • 2020年5月22日
  • 2020年5月22日
  • 産科
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僧帽腱膜下血腫と頭血腫の鑑別は国家試験でも頻出で有名だと思います。

骨縫合を超えるものは僧帽腱膜下血腫、超えないものは頭血腫で、特に僧帽腱膜下血腫は危険とくらいしか覚えていないかもしれません。

僧帽腱膜下血腫の図を検索してみると、そこまで危険な感じはしませんが、

僧帽腱膜下血腫は本当に危険なのです。

 

例えば直径5cmの血腫を考えて見てみましょう。

血腫を図のように半径2.5cmの半球として考えると、

体積は、約33mLとなります。

ちなみに新生児の循環血液量は体重の10%くらいですので、

体重3000gの乳児の循環血液量は300mL程度となります。

つまりたったの5cmの血腫でも全血液の1/10もの出血がおこっているのです。

成人男性で例えるなら、成人男性の循環血液量は5L程度ですので、

その1/10である500mL程度の出血が起こっていることになります。

 

ほんの直径5cmくらいの血腫でもかなりの出血となります。

ちなみに頭血腫は骨膜を超えないんでしたよね。

児頭の直径は10cmで、頭蓋骨は融合していないので

頭血腫は大きくてもせいぜい直径5cmくらいで、命に関わる出血に繋がることは少ないです。

 

それでは直径10cmの血腫を考えて見ましょう。

相当量の血腫となるのが容易に想像できるのではないでしょうか?計算するとおおよそ260mLです。

これは成人男性でいうと4L以上の出血となります。

僧帽腱膜下血腫は骨融合を超えるので、児頭の直径の大きさまで血腫が広がる恐れがあります。

胎児は体に対して頭が大きいのでどうしても頭の出血は大量出血につながってしまいます。

僧帽腱膜下血腫って本当に怖くないですか?

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