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子宮頸癌のステージ分類

  • 2020年12月16日
  • 2020年12月17日
  • 婦人科
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今回の記事は産婦人科専攻医向けのお話になります。

子宮頸癌のステージ分類はかなり複雑です。

I期でもIA1やIA2、IB1やIB2といった具合にかなり細分類されています。

どうしてでしょうか?今回はそんな疑問に答えていきます。

 

今回の記事は子宮頸がん治療ガイドライン2017年度版を参考にしています。

 

子宮頸癌のステージング

癌のステージはI期からⅣ期に分類されます。

これらのステージからは主に5年生存率などの予後が統計的にわかります。

一般的にI期は癌が局所的に存在しているとき、II期は大きくなり浸潤しはじめたとき、III期はリンパ節転移や周辺臓器に浸潤などを起こしているとき、IV期は遠隔転移を起こしているときです。

子宮頸癌はFIGO(Federation of Gynecology and Obstetrics)による臨床進行期分類で統計的に5年生存率や再発率を計算しています。

 

子宮頸癌のステージの細分類 -A1やA2とはなんなのか?

それではどうしてIAやIBといった細分類をするのでしょうか?

それは治療方法や予後が異なるからです。

ここからは具体的な子宮頸癌のステージングについて見ていくことにします。

 

具体的なステージング

ステージⅠ

子宮頸癌が局所的、つまり子宮内に収まっている場合です。

さらに肉眼的に確認できない、つまり顕微鏡でしか確認できないIA期肉眼的に明らかなIB期に分類します。

この肉眼的に病変が指摘できるとは、おおよそ7mmが基準とされます。

IA期でも深さが3mmを超えるか超えないかでIA1期とIA2期に分類します。

これは深さ3mmを超えると癌とリンパ管が接触する確率が高くなり、リンパ節転移の可能性が高くなるからです。

つまり予後が悪くなります。

そのためIA1期では単純子宮全摘術でも構いませんが、IA2となるとリンパ節郭清も含めた広汎子宮全摘術が選択されます。

施設や症例によっては準広汎子宮全摘術となる場合もあります。

IB期では肉眼的に病変を指摘できます。

ここでもIB1とIB2と再分類されます。

これは治療方法が異なるという観点と妊孕性の温存手術、つまり広汎子宮頸部摘出術が可能かどうかという点で分類されます。

IB1もIB2も手術としては広汎子宮全摘術が行われますが、術後補助治療として主にIB1では放射線療法のみ、IB2では化学放射線療法が選択されます。

妊孕性温存手術である広汎子宮頸部摘出術の適応かどうかはこのIB1であるのかどうか、つまり4cmを超えないかどうかで決まってきます。

 

ステージII

ステージIIでは病変は子宮を超えて進展している場合です。

子宮頸癌の場合の進展経路は2つです。

膣壁方向と基靭帯方向です。

膣壁方向はA、基靭帯方向をBとします。

膣壁に進展する場合はIIA期、子宮傍組織、つまり基靭帯方向へ進展する場合はIIB期と表現します。

いずれにせよII期では広汎子宮全摘術が主に選択されます。

IIA1とIIA2とさらに細分類しますが、これも術後の治療方法の違いです。

この違いは腫瘍の大きさが4cmを超えるかどうかで、IIA1では放射線単独、IIA2では化学放射線療法が主に選択されます。

広汎子宮全摘術では骨盤まで進展していなければ基本的には手術は可能です。

そのためIIB期までは手術適応となります。

施設によっては術前化学療法を施行してから広汎子宮全摘術を施行するところもありますが、この辺りについてはまだコンセンサスが得られていないのが実情です。

これらの再分類によって予後もやや異なってきます。

 

AとBについて

II期以降はこんな風に捉えてみると分かりやすいかもしれません。

Aは基本的には腫瘍の増大と考えてください。

Bは基靭帯リンパ節転移に繋がるため肺転移などの遠隔転移に繋がります。

そのためIVA期は腫瘍の広がりであるため直腸や膀胱浸潤となるのに対してIVB期では肺転移などの遠隔転移となります。

 

 

ステージIII

腫瘍が膣壁方向であれば1/3以上の進展または基靭帯方向へ進展した場合は骨盤壁まで浸潤した場合です。

膣壁方向をIIIA、基靭帯方向をIIIBとします。

治療は基本的には化学放射線療法です。

しかし、予後はIIIAとIIIBでやや異なります。

IIIBの方が若干悪いです。

 

ステージIV

基本的に子宮頸癌は扁平上皮癌であるため、移行上皮のある膀胱や腺上皮のある腸管へは浸潤しにくいとされています。

つまり浸潤してしまった場合はかなり進行している場合です。

そのためIVA期とします。

さらに肺や肝臓などに転移している場合はIVB期とします。

もちろん予後も異なります。

III期との決定的な違いは予後です。

5年生存率が一気に下がります。どの文献を調べてもおおよそ20-30%程度といったところでしょう。

 

以上が子宮頸癌のステージ分類についてでした。

 

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