新しい切り口の産婦人科学講座へようこそ。
この講座ではなんとなく記憶していたような産婦人科学の知識を、今までにない「新しい切り口」で解説することで、「知っている」から「分かる」感覚にしていきます。
*対象
この講座の対象者は一回でも一通り産婦人科学を勉強したことがある医学部生や助産学生などを主に対象としています。もちろんそうでない人も歓迎です。この講座を受講したあとに、ネット講座や産婦人科の教科書をぜひ見てみてください。より効率よく勉強ができると思います。
この講座では産科を次の4つのステップで理解していきます。
産科学には総論として2つの大きなストーリーがあります。
①赤ちゃんと胎盤の物語と②お母さんの物語です。
この2つのストーリーを知ることが産科学の理解の第一歩となります。
そして、それらの物語でどんな異常が生じるのかを見ていくと産科の疾患の理解がとても整理されてきます。
では早速、赤ちゃんと胎盤の物語について見ていきましょう。
7つの章に分かれています。
第一章 排卵
妊娠の始まりは卵子から始まります。
卵子が成長し始めるのがちょうど月経1日目です。
これがちょうど妊娠0週0日になります。
そして卵子が成長してまず起こるイベントが排卵です。ちょうど妊娠2週にあたります。
第二章 受精
排卵された卵子は精子と卵管膨大部で受精します。
第三章
受精卵は分割(細胞分裂)を繰り返しながら、受精後7日目(妊娠3週)ごろに子宮内に運ばれ着床します。
第四章 分割
着床した受精卵はさらに分割とよばれる細胞分裂を繰り返して胎児と胎盤に成長していきます。
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第五章 胎盤・胎児の完成
妊娠15-16週ごろになると胎児も胎盤も大まかな形が完成します。
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第六章 発育
臓器が完成した胎児はどんどん成長・成熟していきます。
第七章 分娩
37週以降になると陣痛が来て分娩に至ります。
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これこそが産科の大きな流れです。
これだけです。この流れさえ分かっていれば、あとは知識の肉付けをしていくだけになります。
産科で出てくる疾患のほとんどが赤ちゃんと胎盤の物語の各章でなんらかの異常が生じた場合です。
それではその異常を見ていきましょう。
排卵の異常
不妊症と言われる分野です。各論でも説明しますが、内分泌もからみ最も難しい分野でもあります。
国家試験ではPCOSが有名です。ここでは排卵障害を中心に不妊症について見ていきましょう。
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受精の異常
通常であれば卵子と精子の染色体がセットになって受精卵となりますが、異常な受精が起こってしまうことがあります。
これが胞状奇胎などと言われる絨毛性疾患です。
名前の通り、絨毛、つまり胎盤の病気です。
異常な受精が起こると、不思議なことに異常な胎盤になってしまいます。
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着床の異常
受精卵は卵管から子宮に運ばれて子宮内膜に着床しますが、うまく子宮内に運ばれずに卵管に着床したり卵巣に着床したりしてしまうことがあります。
これを異所性妊娠と呼びます。
*かつては子宮外妊娠とも呼ばれていましたが、帝王切開の傷跡に着床してしまう瘢痕部妊娠は子宮外ではないため、名称が変わりました。
異所性妊娠の部位として卵管膨大部がもっとも多いと言われていますが、それもそのはずでよく考えてみると面積が最も多いのが卵管膨大部だからです。
面積が多ければ多いほど着床する確率は増えますよね。
そうやって考えると卵管膨大部(75%)、卵管狭部(25%)、間質部(1%)の順になります。
分割の異常
着床してからどんどん細胞分裂が起こり胎児と胎盤ができてきます。
そこで異常を生じるのが双体妊娠です。
1個の胚が2個に分かれてしまい別々に成長してしまいます。
こんなことが起こるのは未熟な胚だからです。
受精後3日と早期であれば胎盤になる絨毛も胎児も別々に分かれてDD双胎(二羊膜二絨毛膜双胎)になるのですが、絨毛も胎児も成長・完成してしまうと別々に分かれることができなくなります。
実は外側の絨毛から徐々に完成していくので、受精後4−8日だと絨毛は完成してしまいます。
そのため胎盤は別々に分かれませんが、胎児は未熟なためは別々になることがあります。
これがMD双胎(一絨毛膜二羊膜双胎)やMM双胎(一絨毛膜二羊膜双胎)と言われるものです。
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胎盤・胎児の成長の異常
胎盤も胎児も完成前になんらかの異常が生じるとほぼ流産してしまいます。
もちろん小さな異常の場合は妊娠継続することができますが、母体や胎児自体に負担がかかってしまうことがあります。
胎児の成長の異常
妊娠初期は不育症*、中期以降は胎児発育不全と呼ばれます。
*2回連続した流産を習慣性流産、3回連続した流産を不育症といいます。
原因は2つで①胎児側の原因(先天的な問題)と②母体(子宮内の環境)の問題に分けられます。
ところで妊娠初期に胎児が育たない原因と中期以降に育たない原因は全く異なります。
妊娠初期
妊娠初期の母体側の原因としては血栓症が挙げられます。
胎児を栄養する血管が詰まってしまうことが原因です。APSなどが有名な例でしょう。
妊娠初期の胎児側の原因は染色体異常などが挙げられます。
最近の国家試験ではRobertson転座や相互転座といった染色体異常がよく出題されます。
妊娠中期以降
中期以降の母体側の原因は、例えば妊娠高血圧症などにより胎児への血流が低下したり、羊膜絨毛膜炎により子宮内環境が悪化したりすることが大きな原因となります。
胎児側の原因としては先天性奇形や胎児感染症による合併症などが挙げられます。
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胎盤の成長の異常
胎盤の異常は大きく3つあります。
①位置の異常、②機能異常、そして③血腫
です。
①は低置胎盤、前置胎盤、癒着胎盤などと呼ばれます。
子宮口から2cm、胎盤の端が離れていれば低置胎盤(ギリギリ経膣分娩可)
2cm以内であれば前置胎盤(経膣分娩不可)
子宮口を全て覆っていれば全前置胎盤(経膣分娩不可)と呼ばれます。
子宮内膜は底部が最も分厚く、頸部に近づくほど薄くなります。
そのため低置胎盤や前置胎盤では胎盤の根が子宮に到達してしまうことがあります。
これを癒着胎盤と呼びます。
癒着胎盤は胎盤の根が子宮に接している単純癒着胎盤(Placenta creta)
子宮に侵入している侵入胎盤(Placenta increta)
子宮を貫通している穿通胎盤(Placenta percreta)
に分類されます。
*胎盤を根、内膜は土、子宮筋層は鉢のような関係だと考えてください。つまり、胎盤という根が子宮筋層という鉢を貫通するのは普通は困難です。つまり、帝王切開後など鉢になんらかの亀裂などが入っていなければ、侵入胎盤や穿通胎盤までは通常はなりません。
また臍帯辺縁付着(臍帯が胎盤の端についている)の前置胎盤の場合、
臍帯周囲の血管が子宮口を覆う前置血管という疾患もあります。
もちろん自然分娩は出血のリスクがあるので帝王切開となります。
②では、胎盤の血管があまりにも不良であれば流産してしまいますが、ある程度の完成度だと逆に母親の血圧をあげたりすることで胎児への血流を維持できてしまいます。
これが妊娠高血圧症です。
*双胎妊娠も妊娠高血圧症のリスクになります。一度に2人分の胎児を育てないといけないので血流が足りないと、血圧を上げて血流を上げようとします。そのため、単胎妊娠の場合よりも妊娠高血圧症のリスクが高くなります。
今回は妊娠高血圧症について見ていくことにします。
妊娠高血圧症は妊娠を契機に血圧が上昇してくることを言いますが、妊娠高血圧腎症であったり子癇発作やHELLP症候群であったりと様々な合併症があり病態が理解しにくい分野でもあります。
[…]
③は血腫です。
妊娠初期であれば絨毛膜下血腫、中期以降であれば常位胎盤早期剥離と言われます。
似たような疾患ですが、全く異なる疾患です。
絨毛膜下血腫
絨毛膜下血腫は胎盤が成長する過程で内膜の血管を傷つけてしまうことでできる出血です。
妊娠初期の胎児はとても小さいため子宮内には血腫ができるくらいの隙間があります。
そのため絨毛が成長する過程で出血すると血腫を形成します。
もともと絨毛膜は胎児由来、内膜は母体由来なのでスペースがあります。
ここが出血します。
これが絨毛膜下血腫です。
しかし、たとえ血腫が大きくなったとしても、血腫の圧で自然に止血されます。
また血腫ができても他の部位の絨毛から栄養を受け取れるため特に大きな問題はありません。
ところで、絨毛膜下血腫は主に妊娠初期に見られます。
なぜなら胎児が成長すればするほ子宮壁と卵膜は強く密着するため、絨毛膜と子宮内膜の間に血腫を作るような隙間もなくなるからです
常位胎盤早期剥離
分娩もしていないのに胎盤と子宮の間が出血して、胎盤が子宮から剥がれてしまうのが常位胎盤早期剥離です。
原因としては、大きく3つあると考えるといいでしょう。
①動脈硬化した血管の破綻
妊娠高血圧症、妊娠糖尿病、高血圧合併妊娠、糖尿病合併妊娠、喫煙、高齢など胎盤血管の動脈硬化してしまった脆い血管の破綻
②胎盤血管への過度な負担
双胎妊娠、羊水過多など胎盤に負担がかかることで胎盤血管が破綻
③外傷
です。
ところで、胎児が成長すると卵膜・胎盤は子宮にしっかりと密着するため、絨毛膜下血腫などの微小な血管からの出血は起こりにくいはずです。
しかし、胎盤は巨大な血管の塊なので一度出血すると出血圧が強くて胎盤・卵膜を子宮から剥離するくらいの威力があります。
中期に入り胎盤が完成すると、胎児の唯一の栄養と酸素源は基本的に胎盤のみとなります。
そのため胎盤が剥がれてしまうと唯一の栄養・酸素源が絶たれてしまうため胎児にとっては危機的な疾患です。
また胎盤からの出血は、胎盤という血管の塊からの出血なので容易に出血性DICを来たしてしまうため母体にとっても危険な疾患なのです。
分娩の異常
分娩の異常は産科のヤマでもあるでしょう。
①そのものの異常、②時期の異常、③分娩後の異常に分けるとわかりやすいかなと思います。
①そのものの異常
陣痛の強さや長さの異常(微弱陣痛、過強陣痛、遷延陣痛)などと言われます。
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②時期の異常
妊娠21週以前に分娩が進んでしまうものを(切迫)流産、22週以降37週未満で分娩が進んでしまうものを(切迫)早産、42週以降を過期産と言います。
破水もこのカテゴリーに分類します。
子宮口全開大してから破水して胎児が生まれます。これを適時破水といいます。
しかし、それ以前に破水してしまうことがあります。
37週より前の破水を早期前期破水(pPROM: preterm Premature Rupture Of the Membrane)
陣痛発来前の破水を前期破水(PROM: Premature Rupture Of the Membrane)
子宮口全開大前(分娩第1期)に破水することを早期破水、
といいます。
はじめに 前回(第1回(回旋)、第2回(分娩第1-2期 胎児娩出まで)、第3回(分娩第3期 胎盤娩出))までは正常分娩について説明しました。 [sitecard subtitle=関連記事 url= https://obgynsc[…]
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③分娩後の異常
産後の出血や羊水塞栓症が挙げられます。
産後の出血の原因は4Tとして覚えられています。
Tone(弛緩出血)、Trauma(裂傷、後腹膜血腫)、Tissue(胎盤遺残)、Thrombin(凝固障害)です。
産後に大量の出血がある場合は、内診して子宮が弛緩していないか(Toneの確認)、裂傷がないか(Traumaの確認)を確認し、経腹超音波検査で子宮内に遺残などがないか(Tissueの確認)を確認します。
また出てきている出血が固まっているかどうかをみて凝固能に異常が生じていないか(Thrombinの確認)を確認します。
もし出血した血液が固まっていなければ凝固障害を来たしています。
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そして最も致死的な疾患がこの羊水塞栓症です。
これはいかに早く可能性を考え治療に移れるかが勝負です。
ですので診断の問題が出題されます。
治療はケースバイケースなので基本的には出題されません。
ここまでが妊娠の主な経過とその異常です。
ここまでは主に胎児や胎盤に主眼を置いてきました。
次に見ていくのは妊娠に伴うお母さんの身体の変化です。
妊娠すると赤ちゃんのためにお母さんの身体が変化してきます。
その変化についていけないと疾患として捉えられるようになります。
基本的には内科系の臓器に変化が見られるようになります。
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①循環系
妊娠すると循環血液量が増えます。
つまり心臓と腎臓に負担がかかります。
そのため心臓や腎臓に病気があるような人は基本的には妊娠中に増悪してしまったりすることがあります。
そのため心疾患や腎疾患のあるような人は妊娠前に妊娠してもいいような状態に整えておくことが大切になります。
また健常な人でも心臓への負担が大きいと産褥心筋症といって心不全に陥ってしまうことがあります。
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②呼吸器系
妊娠がすすむと子宮が大きくなるので横隔膜が挙上してしまいます。
つまり横隔膜を下げる腹式呼吸がしにくくなります。
そのため胸を横に広げる胸式呼吸が主体となってきます。
しかし、胸式呼吸では横隔膜を下げるような腹式呼吸よりも肺は広がらないため深呼吸がしにくくなります。
つまり肺の予備力が低下してしまいます。
そのため喘息などの疾患は注意が必要となります。
③内分泌系
妊娠中に特に大きく変化するのが内分泌系です。
妊娠を維持するホルモンと妊娠に向けたお母さんの体つくりをするホルモンが絨毛・胎盤から分泌されます。
妊娠を維持するホルモンはエストロゲンやプロゲステロンのことですが、それらのの分泌は妊娠初期はごく少量であるため、十分に分泌できるようになるまでは、絨毛からhCGというホルモンを分泌します。
このhCGは卵巣に作用して黄体に頑張って妊娠の維持に必要なエストロゲンとプロゲステロンを生成してもらいます。
そして、おおよそ15週ごろ、つまり胎盤が完成するころには、妊娠維持に十分な量のエストロゲンとプロゲステロンが生成できるようになるため、hCG量も低下してきます。
*hCGとはヒト絨毛性ゴナドトロピンの略語です。ゴナドトロピンとは卵巣に作用してエストロゲンやプロゲステロンの分泌を促すホルモン(FSHやLHのこと)です。hCGとはその名の通り、絨毛から分泌されるゴナドトロピン様の作用をもつホルモンなのです。
ところで妊娠中に特に重要になるのが血糖値に関わるホルモンです。
胎児にとって一番大切な栄養源はグルコース、つまり血糖です。
そのため妊娠すると胎盤からhPLと呼ばれるホルモンが分泌され、お母さんの血糖を下げないように作用します。
つまり血糖値を下げるインスリンが効きにくくなります。
これをインスリン抵抗性が上がったといいます。
インスリン抵抗性が上がることで母体の血糖値は上がります。
そして、その上昇した血糖を赤ちゃんが利用します。
ところで、赤ちゃんが利用しきれなかった血糖はまた下げないといけません。
しかし、インスリンが効きにくい身体になっているため、血糖値を下げるには、妊娠していないときよりたくさんのインスリンが必要になります。
実は妊婦の中にはこの余分なインスリンが十分に出せない人がいます。
インスリン抵抗性がなければ十分なインスリンを出せるのに、妊娠してインスリンが効きにくくなっているため、よりたくさんのインスリンが必要になるときに出せないような人が妊娠糖尿病になっていきます。
今日は妊娠糖尿病について考えていきたいと思います。 妊娠糖尿病はとても難しい分野で1回の講義だけでは伝えきれない疾患です。 ここでは妊娠糖尿病の国家試験に必要な基本的な考え方に絞って見ていくことにします。 […]
④消化器系
妊娠中に子宮が収縮してしまうと流産や早産になってしまうので子宮が収縮しないように働きます。
実は消化器も子宮も同じ平滑筋でできています。
そのため子宮を収縮しないようにすると、同時に消化管も収縮しにくくなってしまいます。
そのため便秘になったり、ゲップが出やすくなったりします。
平滑筋を収縮しないようにするホルモンは胎盤から放出されるプロゲステロンです。
⑤血液系
血液には、赤血球、白血球、血小板、凝固因子があります。
貧血と凝固能の活性化
妊娠すると分娩時の出血に備えて、特に凝固因子が活性化して血液が固まりやすくなります。
しかし、妊娠していないときの血液の濃さだと、血液が凝固しやすい妊婦にとってはドロドロすぎて、血液が固まってしまいます。
胎盤で血液が固まってしまっては大変です。
そこであえて貧血になることで血液をサラサラにして、血栓ができないようにします。
実際には赤血球数の総量は変わりませんが、水分量が増えるため薄まって貧血になります。
同じことが血小板にも起こるため血小板も減少しているように見えます。
さて凝固能が活性化してまうということは、もともと血栓ができやすい人にとってはとても危険です。例えば、血栓ができやすいプロテインS欠乏症やプロテインC欠乏症、そして抗リン脂質抗体症候群などの患者さんでは注意が必要です。
例えば抗リン脂質欠乏症では胎盤血管が詰まってしまうため流産になってしまいます。
特に12週以降の流産が多いと言われています。
これは12週より前では拡散での栄養を受け取れていましたが、12週を超えると胎児が拡散による栄養取得だけでは胎児の成長ができなくなり、胎児の成長は胎盤血管に依存するようになるからです。
白血球の増多
さて妊娠するということは赤ちゃんという異物がお母さんの体の中にいるということになります。
普通の免疫反応では異物は排除されますが、実際は排除されません。
それはなぜかというと免疫を弱めるからです。
特に液性免疫といって抗体を用いた免疫系を弱めます。
その代わりに細胞性免疫を増強します。
そのため妊婦では白血球がやや増加します。
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⑥神経系
妊娠すると①〜⑤でみてきたように身体に大きな変化が生じます。
そのため精神・神経系にも大きな負担が生じて、情緒不安定になったりしてしまいます。
原因としてホルモンの変化などが影響していると言われていますが原因は不明なことが多いです。
特にここで重要なのがマタニティーブルーズや産後うつです。
特に産後うつは母体の死亡理由として最も多い原因なので、いかにして早く発見するかが大切になります。
以上が産科の大きな流れです。
ここまで読めたら、あとは過去問を解いて知識を強化するだけです。